第22章
声は大きくなかったが、人々を震え上がらせるような威圧感を放ち、その場にいた全員が心臓を凍らせた。
木下森の手下たちは凶悪な面構えをしていたが、思わず足を止めてしまった。
丹羽光世はゆっくりと歩み寄り、表情こそ無いものの、その眼差しは真冬の氷のように冷たかった。
彼は島宮奈々未の側に立ち、自然な動きで彼女を背後に庇った。
「木下森、彼女に指一本触れてみろ。どうなるか試してみるか?」
丹羽光世の声は、まるで木下森の喉元に突きつけられた冷たい刃のようだった。
木下森は丹羽光世を見つめ、先ほどまでの尊大な態度が一瞬で消え失せ、目には恐怖の色しか残っていなかった。
彼は丹羽光世を認識した...
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